スチコン導入の効果
●スチコン導入のメリット「3本柱」
スチコンでは、「T-T管理」が可能。
「T-T管理」の「T-T」とは、Time(時間)とTemperture(温度)を指します。
「T-T管理」とは、
“強火・弱火”といったあいまいな表現であった加熱調理の加減を
“何℃・何分加熱”というように、加熱温度と時間に分けて数値化することで、
データ管理できることを表します。
「T-T管理」で生まれるメリット
“3本柱”
食材の温度と作用について
食材は温度によって変性する。
設定温度や芯温を見極めるには、食材の温度と作用に関する知識も必要。
●品質の向上
加熱調理のマニュアル化ができ、熟練・未熟スタッフ間の格差解消
*食材やメニューごとに、調理の「マニュアル化」が図れ、
均一な品質で提供可能。
基準を明確にするために、データ収集を積み重ねることが必要。
例)鶏もも肉の塩焼き
1回目
(熱風モード)
表面がパリッとなった。
2回目:調理モード変更
(コンビモード)
ジューシーになった。
3回目に向けて・・・
もう少し柔らかめがベストなので、
次回は、コンビモードで、
温度あるいは蒸気量を変更。
*メニュー登録機能を使用することで、ワンタッチで調理可能。
また1メニューにつき最大9ステップ登録でき、
複雑な調理でも自動的に連続調理が可能。
メニュー数の増加に貢献
*スチームモード
・ 熱風モード
・ コンビネーションモード
の3つの調理モードを使いこなすことで、「蒸す」・「焼く」だけではなく、
「煮る」・「炊く」・「炒める」等、様々な調理に対応可能。
予熱機能使用で、一定の仕上がりを実現
*加熱を行う前に、予め庫内を十分に温めることで、
庫内温度が安定し、調理時間や品質が安定する。
芯温センサー使用で、加熱調理時のロスが少ない
*正確な温度コントロールで、芯温は1℃単位で設定可能。
*芯温センサー使用で、デリケートな食材へのオーバークッキングを防ぎ、
ロスを最小限に抑えることができる。
食材の形、栄養素の保持
*鍋に比べてホテルパン内での対流が少ないため、煮崩れしにくい。
例)鯖の味噌煮
麻婆豆腐
かぼちゃの煮物
*焼き物では、コンビモードを使うことで焼き縮みを抑え、
冷めても固くなりにくい。
*スチームモードは、鍋でゆでるよりも
食材の栄養素の流出を最小限にとどめ、食材の味や香りを保持。
*食材点数の多い場合、食材ごとに分けて加熱すると、盛付の単純化が可能。
加熱後 盛付作業 盛付後
●生産効率の向上
加熱をスチコンに任せられる
*加熱スタートすれば、加熱完了まで他の作業が可能。
⇒ フライヤーでの揚げ物、盛付作業、洗浄等に時間がかけられる。
*鍋と異なり、かき混ぜることがない。
*直火ではないので、濃度のあるものが焦げ付きにくい。
複数の同時調理が可能なため、生産効率アップ
*調理モードと温度帯が同じものは、庫内に同時投入が可能。
① 「炊飯」と「煮物」の同時調理
② 同一献立で調味料や分量を変更して同時調理
例)常食と減塩食
スチコン2段重ねで、多品種の調理可能
*限られた厨房内で、調理モードの異なる加熱が可能。
例)上段「主菜」、下段「副菜」
●衛生面の向上
芯温センサーで、衛生管理可能
*食材の加熱完了を「食材の中心温度(芯温)」に設定することで、
生焼けによる食中毒を未然に防止し、適切な温度管理が可能。
快適な厨房環境を実現
*庫内が密閉されており、本体からの放熱が少ないため、
厨房内の温度や湿度の上昇を抑えるのに貢献。
*自動洗浄機能付きのスチコンであれば、清掃作業が効率的。
*涼厨仕様:機器本体表面温度の上昇を抑え、排熱を集中排気させ、
厨房内を快適にする。
*ロング脚タイプ:最下段が床面から60cm以上の高さなので、
ハネ水の心配がなく、衛生性、清掃性、作業性
に優れる。
(大量調理施設衛生管理マニュアルに対応)
*パススルータイプ:調理から配膳の流れを一方通行にすることで、
交差汚染を防止。
USBメモリー接続ユニットの採用で、調理データの管理を簡素化
*庫内温度や芯温をUSBで抽出し、パソコンに取り込めば、
簡単に温度記録可能。(数値表示・グラフ表示)
*1つのスチコンで登録した調理メニューデータをUSBで抽出し、
別のスチコンに調理データを置換可能。
⇒ 品質の均一化、調理のマニュアル化が可能。
●スチコン導入メリット“3本柱”へのマルゼンのアプローチ
マルゼンのスチコンは、バリエーションが豊富。
スチコン導入メリットの“3本柱”である
「品質・効率・衛生」
の
効果を向上させる機種・機能のまとめ。
●
スチコンの「得意」・「苦手」
得意
◎ 大量生産
*コンロや焼物器での生産は処理数に
限界がある。
苦手
△ 少量調理(少人数向け)
*小さいホテルパンがあれば可能だが、
料理によっては鍋が早い場合もある。
◎ ヘルシー揚げ物風、炒め物風
*(揚げ物)
鍋を使った揚げ物に比べて、
吸油率は低くなり、ヘルシーになる。
* (炒め物)
鍋と異なり、直火でないため、
鍋の炒め物に比べて油は少量でよい。
例) フライ風 焼きそば
× 本格的な揚げ物
*(揚げ物)
揚げ物風では、
水分の多い食材は不向き
*(炒め物)
水分が逃げにくいため、
炒めた感じが出にくい。
◎ 煮崩れしやすい食材の煮物
*鍋に比べて、かき混ぜることがなく、
ホテルパン内で対流が起こりにくい ため、
煮崩れしにくい。
例) 麻婆豆腐 かぼちゃの煮物
× 煮詰める
*基本的に、煮物調理は蓋をして
加熱するため、水分が飛びにくい。
◎ 濃度のある物・焦げ付きやすい物
*濃度のあるものでも焦げ付きにくく、
付きっきりで混ぜる必要がない。
例)ポタージュスープ ラタトゥイユ
△ 硬い根菜類を柔らかくする
*大きいポーションの根菜類は
中心部まで火が入りにくい。
◎ 低温長時間・オーバーナイト調理
*低温でじっくりと加熱することで、
素材の深部まで軟らかくなる。
例)さんまの煮付け 豚の角煮
△ 薄い肉や緑野菜をさっとゆでる
*鍋と異なり、対流が起こらないため、
肉類は結着しやすい。
*長時間加熱すると、緑野菜は
退色しやすいので、注意が必要。
<ポイント>
●加熱時間をなるべく10分以内に抑える。
●カットの大きさ、繊維を断ち切るカットにする。
●ホテルパンに詰め込み過ぎない。